測定技術情報


測定時間と定量下限

必要な定量下限を得る為の測定時間の設定とは?

測定時間により定量下限はより低くなる。

ゲルマニウム半導体検出器は、検出器部分に当たるγ線を検出します。 検体量が同じとすれば長時間の測定のほうが検出パルスは積算されますので、より検出精度は向上します。 実際に飲料水の測定時間による定量下限の変動を示すと次のようになります。
2Lの飲料水を10分測定した場合、定量下限は、2.0 Bq/kgとなります。 測定時間をより長くとれば2,000秒測定(33分測定)で0.6 Bq/kgの定量下限を得られます。
一方、飲料水の新規制値では、規制値が10 Bq/kgであり、放射性セシウム合算で1 Bq/kgの定量下限が必要となり、Cs-134, -137ではそれぞれ0.5 Bq/kgの定量下限が必要となります。 この測定結果からは、2,000秒測定では十分に定量下限が下がりきっていません。 従って、飲料水の新規制に基づく測定を行い場合には、定量下限がCs-134, -137 それぞれで0.5 Bq/kgを下回る為には、より長時間測定が必要となります。 実際の測定では約3,600秒(1時間)測定で0.5 Bq/kg以下まで定量下限が下がります。

測定時間変動.jpg

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測定時間の設定には、検体量を踏まえて適切な測定時間設定が必要

2L_600.jpg実際に牛乳で微量の放射性セシウム(Cs-134とCs-137)を含む検体の測定例を示します。 600秒測定の場合では、セシウム137のみが検出されています。 しかし全般に積算が十分とは言えません。 次に1,200秒測定のチャートを示します。2L_1200.jpg1,200秒測定では、放射性セシウム134と137それぞれが検出されている事が示されます。 積算も進み、バックグラウンド(ノイズ)に比較しても検出されたピークが明瞭となってきている事が示されます。 そして最後に2,000秒測定を示します。2L_2000.jpg
この測定時間であれば、それぞれの検出ピークは、バックグラウンドと比較しても明瞭に示され、放射性セシウム134と137、それに環境放射能であるカリウム等が検出されている事が示されます。
このように測定時間を十分に設定する事でより精度の高い検査が可能となります。 


ゲルマニウム半導体検出装置では、検出器にいかに効率良くγ線を当てるかという点が非常に重要です。 検体量と検出下限のページでは、よく用いられるU8型容器と2Lマリネリ容器を示して、どのように検出器にセットされるかを示します。 検体量が多いほど検出良好となるのが示されています。

上記の検出下限値については、検体によって変動しますので、必ず記載されている定量下限に到達するものではありません。 おおよその目安として理解してください。 (バックグラウンド:ノイズは検体中の環境放射能の量などで変動します。 特に福島地域由来の検体であればより多くの核種が存在している為、バックグランド:ノイズは高めになります。 このため定量下限が高くる場合が多くなります)