測定技術

3M社製 RadDiskによる放射性ストロンチウムの測定

固相抽出法による放射性ストロンチウム測定の検証

放射性ストロンチウム測定過程における各種チェック手順

検証事項
抽出済みディスクのβ線測定について放射性ストロンチウム測定に用いたディスクについて、以下の点が分析過程において確認されていました。

(放射線の測定手順上での検証)

1.γ線の測定
固相抽出の完了後、β線測定前に、ゲルマニウム半導体検出器によるγ線測定が実施されています。
γ線測定はβ線測定に先立って実施されており、この過程でγ線の検出はありませんでした。(分析手順においては、γ線の検出があった場合、ディスク洗浄が不十分なので、洗浄が繰り返される)
2.β線測定(12時間後)
固相抽出においては、通常抽出が終了後、乾燥後直ちにβ線の測定が可能です。 同位体研究所においては、まずγ線測定が行われ、その後β線測定が実施されています。
β線測定については、測定後、半日以上経過時点で、再測定が実施されています。 これは環境放射能である鉛をディスクが回収する可能性がある為であり、短半減期核種であれば、短時間にβ線量は低減する事から、回収核種に短半減期核種がない事を確認する目的です。
本測定においての翌日計測において、測定値の減少は見られず環境放射能による鉛やビスマスなどの短半減期核種の存在はないと判断されました。
3.β線経過測定
放射性ストロンチウムは、γ線を放出しないβ核種であるため、放射性ストロンチウムとしての特定が困難です。 このため同位体研究所では、測定ディスクについて経過測定を実施しています。 ラドディスクの回収直後のβ線測定後、長時間経過において、β線測定を実施しています。
環境放射能を回収している場合には、短時間でβ線測定値が減少する一方、適切に放射性ストロンチウムを回収しているのであれば、Sr90は、壊変してY90になりますが、このY90は、Sr90と比較して高いエネルギーのβ線を放出します。 従って、長時間経過において同一ディスクのβ線カウントが増加すればSr90が存在してY90に壊変していたと考えられSr90を適正に回収していると考えらられます。
堆積物の測定において回収されたディスクについては、測定終了後2週間時点でβ線測定が実施されていますが、その過程で測定値は明瞭に増加していました。 この事からも、ディスクはSr90を補足していたと判断されました。

(固相抽出過程での検証)
固相抽出において、ディスクでの吸引流速を上げると、空気を吸う恐れがある事は、分析部門において、当初より注意点として手順上の重要遵守事項となっていました。
抽出工程についても、空気の吸い込みには特に注意されていた事、及び抽出完了時は、若干の抽出用液をのこした状態を維持し、ディスクが空気に触れて放置される工程はない状態に維持されていました。
従って、抽出工程における空気の吸い込みによる環境放射能の吸着はないと判断しました。 (さらに抽出終了後、γ線測定が実施されている事からも2重チェックされる)

現時点においては、通常測定手順における検証事項である、β線測定前γ線測定でγ線不検出、β線の翌日測定で、β線計測値の減少なし、β線2週間後計測でβ線測定値の大幅な増加の確認はされていました。 また手順上での空気のディスクへの接触もない事を確認しました。 従って、同位体研究所において測定されたラドディスクにおいては、放射性ストロンチウムの固相抽出法による測定において、内部の測定手順が正常に実施されていた事を確認しています。

今回の測定過程での確認された放射性ストロンチウムとのチェック事項は以上の通りでした。